2007年8月号  未知とのコンタクト / 桃

【未知のイメージ】

 何故空はこんなに青いのか……何故空気はこんなに美味しく澄んでいるのか……何故星はこんなに近くで輝いているのか……。

 それ程、ニュージーランドの自然の何もかもが脳裏に衝撃的に焼き付けられた。写真では全てを表現出来ない。世界の名だたる名作映画が、この地で撮影された理由がわかるような気がした。

 数年前オーストラリアを旅行して、オセアニアの素晴らしさを垣間見た。いつか走ってみたいという気持ちが募り、真夏の2月に走れる機会をようやく得た。ルートや日程の都合上、場所はニュージーとなり、2週間の旅の相棒はヤマハXT600!

 日本から11000km、そこは言葉も習慣、何もかもが違った場所であったが、何処か安らげる場所でもあった。片言の英語と博多弁しか使えない私は、意思は目と気持ちで伝え、表情で返事をした。それで会話は充分成立するようだった。もっとも英語が出来るに越したことはないのだが、話せなくても支障はあまりなかった。


【ニュージーランドは正にランドだった】

 ニュージーランドの玄関口、オークランドを出発して北島を縦断するルートを走る。ガードレールはほとんどなく、路側帯は広く、道は真っ直ぐだ。自然を損なう建築物や道路器材は最小限で、トンネルは皆無である。全てが自然優先の造りのようだった。木立と青い空のコントラストが美術館の絵画のように感じられ、写真を撮るのに忙しく、なかなか先に進まない。困ったもんだ!(笑)

 なかでも北島中心の東部に位置するネイピアは、素晴らしく美しい街だった。あちこちに英国文化の名残であるアールデコ様式の面影を残した建物が点在し、行き交う人は、「ハイ!」っと満面の笑みと挨拶を投げかけてくれる。


【無知ゆえの楽しみ】

 街に着くと、まず『iサイト』なる、ニュージーの街全てにあると言っても過言ではない、政府公認のインフォメーションセンターで、テントサイトの場所を聞くことから私の探検は始まる。私には、サイトに移動してテントを設営後、街の見学という段取りがいつもついていた。

 この国では、ショップのほとんどが16時で閉店する。初日はそうとはつゆ知らず、何も買えなくて困ってしまった。ガイドブックをよく読むとちゃんと書いてある。単なる予習不足であった! 現地の人たちは仕事を早く終え、仕事と余暇を両立させているのだ。現に私がよく利用したホリデーパーク(巨大アウトドア施設)でも、平日の夕方にも関らず18時ごろになると、大きなキャンピングトレーラーを引っ張って、たくさんのキャンパーがゾロゾロやって来た! 週末しかキャンプ場が賑わうことのない日本では見られない、信じ難い光景だった。それも毎日であるから、おったまげてしまう。あとで思ったことだが、この国の人々はキャンプ自体も好きなのだろうが、自然の中に身を置くことが好きなのじゃないかと……。年配のご夫婦が木陰で本を読んだり、編み物している表情を見ているとそう感じてしまう。そしてその光景がとても羨ましく温かく見えた。

 休日でガソリンスタンドが閉店したため、無給油区間が230kmになり、ガス欠しかけたことがあった。その時、美味しそうな匂いを漂わせていた峠のカフェに飛び込んだ。そこで得意? の博多弁英語を話し、ガソリンをわけてもらい、事無きを得た。平静を装っていたが、実は焦りまくっていた。あとでこれが、旅の笑い話となったことは言うまでもない。

 たった2週間ではあったが、この国に来て、忘れかけていた人の温かさや優しさに触れて心が穏やかになった。人のよさはこの国の特徴ではないだろうか。。。。。




トンガリロ国立公園頂上付近のホテル  
 

ガソリンをわけてもらった、とても斬新なカフェ
 

アールデコ様式の残るネイピアの町並み  
 

ニュージーならでは? のカプセルホテルトレーラー 
 

日本では見たことのない青い空 
 

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