2006年12月号 旅する事 / 美月(みづき)

 旅する事、
 それは人生を歩んでいる事と何ら変わりないのかもしれない。

 辛い事や哀しい事は山ほどある。
 時には激しい雨風に立ちすくんで動けなくなる日もあるし、 暖かな太陽に照らされた心地よい日だってある。
 苦しみをどう喜びに変えていくか、それが大切。
 立ち止まってもいい、苦しんでもいい、だけど、その後は、また歩み始める。
 泣き笑い悲しみ喜び、あるがままを受け入れ、選択した道の責任は自分で背負う。
 楽しい事も辛い事も。だからこそ面白い。だからこそ心の底から感情が溢れ出て来るのだろう。

 進んで行く事で忘れられる何か、そして得られる何か。それらは、とても大切なもの。退屈したら人生は終わりだから。

 どこをどう走ったとか、どれだけ走ったかではなく、その経験を通じて何を得たか、自分がどう変わったのかが重要なのであって、たとえ世界一周したとしても、その事が自分にとって何の成長にも繋がっていなかったら意味は無いのかもしれない。

 どこにいても何をしていても、たとえその場から一歩も動かなくても歩み続けている人がいる。同じだけの時間、あるいはそれ以上の情熱をかけて何かに打ち込んでいる、無心で何かに夢中になっている。誰に褒められなくても誰かのために何かをし続けられる。そうやって成長して行ける人もいて、そんな人こそ生涯を通して旅人なのかもしれない。

 つまづく事もある。
 それでも人は、いつからでもどこからでも成長して進める力を持っていると信じたい。時として進む事は立ち止まる事より辛い事かもしれないけど、私たちは人生を後戻りする事はできない。

 この人生を旅し続ける。


Patagonia / Argentina

★ ★ ★

 期間は短いけど海外ツーリングに行かせてもらう事ができる環境にあるし、今の仕事は結構気に入っていて、必然的に高い時期に往復航空券を取ってレンタルバイクで海外を走る事が多くなる。だからお金もとってもかかってしまう。

 そんなに稼ぎがあるわけでもないので、なかなか辛いもんがある。いつもこのお金でカメラでも買おうか、あれも買える、これも買えるなあ、なんて考えてしまう。

 しかも、それだけお金とヒマかけて周囲の刺さるような視線にさらされても、めっちゃ寒かったり、高山病になったり、下痢になったり、雨が降ったり雪が降ったりして、辛〜〜いツーリングになる事もあって、何でこんなに一生懸命働いたお金をつぎ込んでこんな辛い目にあわなきゃいけないの〜〜〜?って思う事もある。

 とっても寒くて高山病になっていたあの日、目の前に広がるアンデスの山並みが夕映えに赤く染まったのを見た時、あー、苦労して稼いだお金だからこそ、こんな風に使うのがいいんだなあ、って思った。一生懸命働いて稼いだお金だからこそ、自分を成長させてくれるであろう“経験”に使うんだと。

 そうは言っても、やっぱお財布が寒いのは辛いけど(笑)。

HPアドレス
「風の大地 旅の空」 http://www12.plala.or.jp/alpinestars/index.html

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