2004年12月号 ニッポン代表?/佐野宏行

 南北アメリカ大陸を、モトラという50ccバイクで縦断する旅をしたんですが、そのスピードの遅さから、普通のバイクの旅のように、町から町まで1日で辿り着く事ができなくて、途中にある小さな村なんかで宿泊するケースが多くありました。そういう所では、僕が(生まれて初めて見た日本人)という人達が多く、いつも質問攻めにあって、それがキッカケでたくさんの友達ができました。

 でも僕が一番困ったのは、僕の行動や考え方、しまいには容姿についてまで、僕という個人を見て、日本人、又は日本という国を理解しようとすることです。つまり、ちょっと極端な言い方ですけど、もし僕が何か悪い事をすると、彼らは(全ての日本人は悪い人達だ)と思い込んでしまうんです。そうなると、僕は背負いたくもないのに、背中に「日の丸」を背負っている気分になり、多少なりとも、人との付き合いに気を使わざるをえなくなりました。でも、やっぱりそれでは疲れてしまうので、仲良くなってからは、なるべく自分らしく、そのままの僕で彼らと付き合うようにしていました。

 なので、別れ際に「あなたと会えて嬉しかった。私はあなたが大好きになったよ」と言ってもらえると、個人的に嬉しいのと同時に、日本人としてホッとします。僕という個人を認めてもらえた喜びと、いつか、次にここに来るかもしれない他の日本人の旅人に対して、迷惑を掛けずに済んだという安堵感です。


延々と続くダートに疲れ、パンを食べて休憩(ペルー)

セローですら、僕には大型バイクに見えた(チリ)

雨季のアンデスで、川渡り(ボリビア)

 


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