2005年2月号 出会い/山中健二 徳子

子供の頃、「友達」とはあたりまえの存在だった。
小学校から中学校、そして高校へと成長していくなか新しく出会う友達。
当然といえばそうなのかもしれない。
時は流れやがて学生という立場に別れを告げ、
するとどうだろう?
それまであたりまえであった「友達」という存在が、そうでないことに気がついた。
仕事、あるいは家庭中心の生活となり「仕事仲間」との付き合いが主体となり、
「友達」の存在はすっかり影をひそめてしまっている。
大人になってから新たな「友達」と出会う機会といったら、
わたしの場合決して多いものとはいえない。
それもまた当然なのかもしれないが、ちょっとさみしい気持ちがする。
旅は子供の頃のあのときへ戻ることが出来る。
道の上で、宿泊先で、いつでもどこでも新たな出会いをもたらせてくれる。
それは国境を越え、人種という隔たりをも越え、見知らぬもの同士、
大人となった今も年齢に関係なくあの頃のように、
「無」からの付き合いがそこにある。
4年7か月の旅のなか、心から嬉しく思う出会いの中から……


拝啓 

ちょうど10年前、
南アフリカ共和国の港町ケープタウンでわたし達は知り合いました。
オートバイショップを営むあなた達のもとへ、
壊れたキャリアのオートバイ2台と共に居候させてもらうことになったのです。
朝食は4人でテーブルを囲み、いっしょにお店に出勤する。
あなたの助手とまではいかないが、あなたの横にはいつも私達がいた。
仕事を終え家へ戻ると心温まる夕食、まるで家族のような生活がそこにあった。
ようなというより、それは真に家族であったかも知れません。
お互いそう感じていたでしょう。
毎日毎日続くこの楽しい時間。しかし出会いがあれば必ず別れがやってくる。
もうそこには旅で知り合った気の合う同士「友達」の域を超え、
「親子」という関係が芽生えていた気がします。
かしこまった約束なんていらない、お互いそう思う気持ちが強くあったと思います。
私達にとってウルフ&ミッキーは父親、母親であり、私達は息子、娘であるのです。
時に旅はそんな素晴らし出会いを与えてくれました。
10年後の今、自分達が父親、母親となりました。
いつの日か孫の顔をきっと見せにいきます。待っていて下さい。

親愛なウルフ&ミッキーへ



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