2005年6月号 人生最大の危機/ドリーマーヨシ

 ケニアでのある事件。僕は人生最大の危機に見舞われた。

 ケニアの北西部、スーダンとの国境に近いカクマという町での話だ。

 僕は、入国とカルネのスタンプをもらうために、ロドワからロキチョキオという国境の町に向かっていた。その日は日帰りのつもりだったので、荷物はホテルに置き、荷台には何も載せていなかった。カクマの近くで12才くらいの少年を拾った。少年は、30q先の自分の住んでいる町まで行きたいらしく、僕はバイクの後ろに彼を乗せて走った。

 70〜80q/hで順調に走っていたが、少年が住む町に入りバイクを止めようと減速したところ、まだスピードが50q/hぐらいあるにもかかわらず、なんと少年はバイクから飛び降りたのだ!!

 少年はそのまま頭から転倒。顔を道路に打ちつけたときに、「ゴッ」とか「ドッ」とかいう鈍い音がした。その後ゴロンゴロンと転がり、ぐでっとなった。マジでびびった。
「おいっ! 何して……!!」
 と思った瞬間、ショッキングな少年の姿を見てしまったのだ。

 少年は白目をむき、顔を血だらけにして気絶している。
「おい……マジかよ……死んだ?」
 一瞬本当に死んだかと思った。周りにはこの瞬間を見ていた人が大勢いた。
「おい! ちょ……ちょっと! 救急車!! 119番! ホスピタル! ホスピタル!!」
 でかい声で叫んだ。

 少年は30q離れた病院に、乗合タクシーで運ばれていった。自分はバイクで後を追う。この30qはとても長く感じた。もし少年が死んでしまったり、後遺症で言葉がしゃべれなくなったり、半身不随になったりしたら、僕の人生は終わりだ……。

 少年を乗せるんじゃなかった。マジでもう旅は終わりにしよう、帰ったらバイクはやめる、真面目に働いてひっそり暮らそうと思った。

 結局、少年は唇の上とひざを計10針ほど縫う重傷。他にも擦り傷、切り傷がたくさんあった。しかし、死ななくてほんとほっとした。少年が白目をむいてぐったりした時は、本当に死んだと思った。

 あの時、本当にもうバイクはやめようと思った。日本でも数回事故ってるし。でも! やっぱりやめられない……(笑)。

 こういう経験をしたけど、世界中を走ってきて思うのは、日本の道路が一番危険だっていうこと。車は多いし歩行者も多い。道幅は狭くて死角がいっぱいある。交差点も信号も多い。ほんと日本は危険だよ。

 みなさん、くれぐれもバイクに乗る時は安全運転でいきましょう!!


ロキチョキオの空港の国連機


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