20回WTN-Jお話会

道祖神・海野氏が語る
「バイクツアー作りのウラ話・あれやこれや」


開催日:2008年6月7日(土)
話し手:海野和久さん(株式会社道祖神)
会場:東京都南大塚地域文化創造館
報告者:もんささ(佐々木 節)

 

  海外ツーリングに関しては豊富な経験を持っている WTN-J 関係者。でも、いろいろ話を聞いてみると、ツアーに参加した経験のある人って意外と少ないんですよね。そこで今回ご登場願ったのは、道祖神でバイクツアーを担当する海野和久さん。旅行会社の企画するバイクツアーの魅力や裏話をたっぷり語っていただくことになりました。
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 ご存じの方も多いでしょうが、道祖神はパッケージタイプの海外バイクツアーを企画している数少ない旅行会社のひとつであり、その草分け的な存在でもあります。'87年に実施された「ウインズ・サファリ・ラリー追っかけツアー(オーストラリア)」を皮切りに世界各地でバイクツアーを運営し、参加者はこれまでに延べ5000人にものぼるそうです。
 ちなみに今回の司会・進行役は、「こぐちょ」こと小口隆士。まずは、こぐちょが今年4月に参加した『ボルネオ島ワイルドライフツーリング8日間(道祖神主催)』の模様をスライドとともに報告。会場の雰囲気がすっかり和んだところで、海野さんのトークへと引き継がれていきました。
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■大学の卒業旅行で訪ねたインドがきっかけ
 もともとバイクが好きで、日本のあちこちを走り回っていた海野さんが、海外旅行の魅力に引き込まれるきっかけとなったのは、大学の卒業旅行で訪ねたインド。「世の中にはこんな世界があるんだ」と衝撃的な感動を受けたそうです。
 その後、いったんはスズキ自動車という大企業に就職しますが、旅への想いは断ち切ることができず、すぐに退社。250万円の資金を貯めると、タイ、インド、イスタンブールなどを経由してヨーロッパに向かいました。そして、イングランド南部のブライトンという町でアルバイトをしながら中古のCD200を300ポンド(約6万円)で購入。その町を起点にヨーロッパ各地をバイクで走り回り、親切なレストランのシェフに貞操を奪われそうになるなど(会場は異様な盛り上がり!?)、数々の貴重な体験を重ねました。

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 ■帰国後は大手旅行会社に再就職するも……
 長い旅を終えて日本に帰った海野さんが再就職先として選んだのは、海外パックツアーで有名な大手旅行会社。しかし、心から旅を愛する海野さんにとって、日々の仕事は決して満足できるものではなかったといいます。お決まりのルートで、お決まりの観光地を巡る、お決まりのパックツアー……。入社8年目、ついにワガママきわまりない客への怒りが大爆発し、めでたく退社。そして、次なる就職先として選んだのが、「来る者は拒まず」を社是とする道祖神だったのでした。
 前に務めていた旅行代理店に比べると、道祖神は比べようもないほど小さな会社でした。でも、仕事は遙かに面白いと海野さんはいいます。その一番の理由は、やはりバイクのツアーを運営していること。さらに「自分のアイデアでツアーを作り、お客さんを集め、添乗員として同行し、そして、トラブルが起こればクレーム処理にも当たる」という、すべてを自分の手で切り盛りすることに大きな充実感があるというのです。
 これまで道祖神では世界52カ国でバイクツアーを運営してきましたが、そのなかでも海野さんが最も力を入れているのはシルクロード横断ツアー。長安(現在の西安)からイスタンブールまで、かつて隊商がラクダで行き来していた長い道のりを、いくつかのブロックに分けて走りつないでいく、いわば連載形式のスペシャルツアーです。

■バイク乗りのお客さんは、いい人ばかり
 飛行機や電車、バスなどで移動する一般的なツアーと違い、バイクでのツアーには予期せぬトラブルがつきもの。もちろんヨーロッパやアメリカといった先進国は別ですが、アジアやアフリカの田舎を走っていれば、ルート変更やマシントラブルは日常茶飯事。「真夜中にようやく目的地にたどり着いたと思ったら、ホテルは停電していて、シャワーのお湯も出ず、おまけに食事の準備もできていない……」なんてことも珍しくはないそうです。そんなハードなツアーに添乗する海野さんが、何よりありがたいと感じているのはバイク乗りの旅への想い。一般のツアーだったら大問題になりそうなトラブルに見舞われても、文句ひとつ言わず、むしろそうした過酷な状況まで楽しんでくれるといいます。
 また、企画したツアーが最少催行人数に達しないためキャンセルになりそうになったとき、海野さんは有給休暇をとり、無給でツアーに同行することもあるそうです。「お客さんたちがせっかく休みをとって、楽しみにしていた旅ですからね」。こうした社員の見えない努力(裏技!?)にも支えられ、道祖神のバイクツアーは運営されているのです。

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 バイクが好きで、旅が好きで、そして、なにより自分の企画したツアーを多くの人に楽しんでもらいたいと願っている海野さん。道祖神ではパッケージタイプのバイクツアー以外にも、レンタルバイクやバイバック(現地でバイクを購入し、旅を終えたら売却)などさまざまなプランを用意しています。海外をバイクで走ってみたいけれど、すべてを自分で準備するのは自信がない……と思っている人は、ぜひ一度、道祖神のバイクツアーデスクを訪ねてみるといいでしょう。笑顔の優しい海野さんが親身に相談に乗ってくれるはずです。

株式会社 道祖神/〒108-0014東京都港区芝5-13-18MTCビル9F
  バイク専用ダイヤルTel03-5444-8190/ホームページwww.biketour.jp
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講演終了後にはジャンケン大会による、道祖神提供のプレゼント(Tシャツ、アフリカちっくなキーホルダー等)もありました。


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お話会で使用したデータを一部掲載します。

■「道祖神バイクツアーの訪問国リスト」 (2008年6月現在)
【アジア・太平洋】 計7ヶ国
中国、ベトナム、カンボジア、マレーシア、インドネシア、ニュージーランド
オーストラリア
【ヨーロッパ】 計13ヶ国
ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、リヒテンシュタイン、スイス
オーストリー、ポーランド、ノルウェー、スウェーデン、イギリス、オランダ
【北米・中米】 計3ヶ国
カナダ、合衆国、コスタリカ
【南米】計4ヶ国
ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン
【中近東・中央アジア・東欧】計9ヶ国
イラン、トルコ、トルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギス、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、ポーランド
【アフリカ】計16ヶ国
チュニジア、アルジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、ガーナ、トーゴ、ベナン、マリ、セネガル、モーリタニア、モロッコ、エジプト、ケニア、タンザニア、ナミビア、南アフリカ
 
  合計52ヶ国


■「賀曽利 隆 氏とのバイクツアー 一覧」 (2008年6月現在)
(01) 1993年:オーストラリア・目指せエアーズロック 
(02) 1994年:中国・タクラマカン砂漠縦断
(03) 1997年:モンゴル・ゴビ砂漠周遊エクスペディション
(04) 1999年:チベット・ヒマラヤ横断・目指せカイラスエクスペディション
(05) 2000年:サハリン縦断・目指せエリザベート岬
(06) 2001年:オーストラリア・キャニングストックルート全走破
(07) 2002年:トランスサイベリア・目指せ最西端ロカ岬:全50日間
(08) 2003年:USA・アラスカ半島縦断 目指せ北極海へ
(09) 2003年:目指せアフリカ大陸最南端・ケープアグラス
(10) 2004年:アフリカ・サハラ砂漠縦断エクスペディション:40日間
(11) 2005年:韓国縦断:7日間
(12) 2006年:シルクロード全走破・ユーラシア横断エクスペディション:57日間
(13) 2007年:トランスアンデス・エクスペディション:58日間
(14) 2008年(予定):サハラエクスカーション
    目指せ黄金都市・トンブクトゥーとサハラのオアシス、ガオ訪問14日間
    アフリカ・ブルキナファソ、マリ共和国