第33回WTN-Jお話会

〜なぜ海外ツーリングができるか?〜
”他の国で自分のバイクが走れるための規則と制度”

日時: 2009年12月20日(日)14時〜16時30分
場所: 品川第一区民集会所第一集会室
  住所:東京都品川区北品川3−11−16
話し手: クリスさん
レポート&写真 古山隆行
参加者: 約25名
 
  クリスさんのお話は、WTN−Jお話会では、初めての試みです。旅の話ではなく、なぜ自分のバイクで他の国を走る事ができるのか?というのがテーマです。バイクを海外に持ち出す時、必ずあるのが法律の壁です。クリスさんは「来日ライダーが入国する時のお手伝いをしている間に、制度と規制を独自に勉強して、いつのまにか必要以上に詳しくなってしまった」、という経験を話してくれました。クリスさんは法律の専門家ではないので、実際の手続きでは、今回のお話のとおりにはいかないこともあるはずです。これは経験から得た情報として聞いて欲しいとクリスさんは話していましたが、まさにそのとおりだと思います。海外ツーリングは各自の責任でするものと思うので、聞いたとおりにやってみ
ても、上手くいかない事もあると思います。でもそんな事は抜きにして聞いてみても、今回はけっこう興味深い話でした。法律の話を正式にすると、面白みに欠けます。でもそれを使っているのは人間なので、そこに意外な一面を見つけられるのかもしれません。
 クリスさんは、最初に1時間のビデオを見せてくれました。それは、1932年にロンドンからユーラシアを横断して、日本を経由してアメリカまで走ったロバート・フルトンさんの記録です。時間が長いかなと思いましたが、これが結構面白かったです。時代が1933年、クリスさんが話すには、入国に関して法律に縛られることがほとんどなかった時代なので、きっと国を越えて走るのは楽だったと言ってました。それはそうだけど、道はとんでもない悪路があちこちにあって、やっぱり海外ツーリングは苦労の連続ですね。でも、こんなに古い時代に海外ツーリングしていたなんて、新鮮な驚きでした。
 さて、ここから現代の話題です。クリスさんは、2000年くらいに日本に来たドイツ人から相談を受けて、自分で勉強を始めたと話していました。最初に説明したのは「1949年にジュネーブで作成された道路交通に関する条約」です。国際免許を取得した経験のある方なら一度は聞いたことがあると思います。私も名前だけは知っていましたが、詳しい内容は知りませんでした。国際免許や国際ナンバーはこの条約で決まっています。例えば、国際ナンバーは「アラビア数字」と「ラテン文字」を使用すると決まっています。日本のナンバーは漢字、ひらがな表記があるので、海外にバイクを持ち出す時には国際ナンバーを作ってもらう必要があるのです。ここで、ちょっとした問題、「条約は国内の法律に
優先するとなると、国際ナンバーで国内を走っても違反にはならない?」そのとおりなのかもしれないけど、警察に止められてその度に説明するのは大変なので、トラブルを避けるために、やはり国内では国際ナンバーでは走らないことがいいでしょう。違法でなければなんでもいい、ということはないはずです。みなさんも経験があると思いますが、違反で無い事も大事ですが、あえてトラブルに会うことを避けるのも大事なスキルですよね。
 次は、海外ライダーの来日するときの話題。日本への入国にはカルネ使用が一番だそうです。でもここで問題が、カルネにはJAFの認証が必要になるのです。「自家用自車の一時輸入に関する通関条約の実施に伴う関税法等の特例に関する法律」に定められているそうです。クリスさん、よく調べてます。でまたここで問題。「ロシアのウラジオストックから富山の伏木港に到着した外国人ライダーはどこでカルネの認証をもらったら良いのでしょうか?」答えは、東京のJAF本部。冗談ではないです。富山のJAF支部では受付なかった時期があったそうです。それをクリスさんがJAFにその問題を伝えて、富山で認証ができるようになったそうです。クリスさん素晴らしい!でも、現在はウラジオストッ
クから伏木へのフェリーが廃止になってしまいました。でも決して、JAFが不親切という事ではないです。年間で十数人しか来日しないのに、そのためにJAFも対応しないとならないなんて気がつかないと思います。そして、これは日本だけではないのです。海外で税関で苦労した経験のある人はたくさんいるハズです。
 最後に、ちょっとした話題。道路条約はジュネーブ条約の他に、「1968年のウィーンで作成された条約」この条約にはドイツ、スイスが加盟しているそうです。海外を走れば必ずと言ってもいいほど出会うドイツ人、条約が違うということは、国際免許が通じないという事です。なんで統一しないの?と疑問が湧きます。ところが、ウィーン条約では、救急車は青灯になるそうです。そういえば海外で青灯を回して走ってくる救急車に会った事を思い出しました。納得です。そして、これでは日本はウィーン条約には加盟できないですね。いまさら救急車をすべて青灯にはできなでしょう。
 今回は、法律の話をとっても分りやすくクリスさんは話してくれました。そして、クリスさん、とっても詳しくて驚きです。
 最後におまけです。ロバート・フルトンさんの記録に興味をもたれた方はこちらにアクセスしてください。
http://www.aerostich.com/twice-upon-a-caravan.html

 

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本資料は様々の規制の勉強で得た情報を元に作成しています。
手続きでは担当者の裁量権も関わるため実態とは異なる場合があります